べにしじみこむ の蝶ブログ へようこそ

主に広島県で蝶の撮影をしています

090524クロコノマチョウ覚え書き

 いつもは黒っぽいと思うのだが、今日は赤っぽいな、と思った。例によって、ふわふわした感じで、ゆっくりと飛んだ。

 今日も天気に不安があった。天気予報では広島県北部と南部を比べると、南部の方が、気持ち、雨にあう確率が少ないように思えた。ならば、ということで、南下した。でもやっぱり雨にあったのである。基本は曇天。わずかに陽が射すことがあり。ときどき、小雨。土砂降りもあり。
陽が射すと、蝶が飛ぶ。雨になると、カメラをリュックに。
シャッターをきったのは数えるほど。
 その少ない被写体の一つが、クロコノマチョウであった。

090524-1


 林の中の小道に、小さな白い花が絨毯のように落ちている。甘酸っぱいにおいが漂っている。たまたまそこへとまってくれた。
この蝶が花に惹かれたとは思えない。たまたまとまったところに、花が落ちていた、のか。


 蝶にもいろいろあるが、本種は、なぜか私の脳裏に記憶として刻まれやすい種である。
強烈な個性をもった蝶であると同時に、一時期、羨望の的となっていたから、だと思う。

 もう20年以上も前のことである。忘れもしない、86年10月10日、体育の日(当時はまだ、この日が体育の日だった。)のことである。場所は、吉和村冠高原。ゼフィルスの採卵のため、カシワ林の斜面をはいずり回っていた時のこと。突然、足下から、なにか大きめの蛾のような物が飛びたった。ぴんと来た。もしかして?道なき林の中を、さんざんかけずり回った。やっと捕まえた。期待通りのもの、クロコノマチョウ(メス)であった。
私がクロコノマチョウに出会ったのは、これが始めてであった。
当時クロコノマチョウは、私にとって憧れの蝶であった。
当時の私のバイブル、1982年発刊の、広島県のチョウ(中国新聞社、広島虫の会編)によると、
”(広島県)沿岸部ではかなりの個体が採集されているし、越冬個体も見られるので土着している可能性は強いが”、と記述されている。でも私は、それまで、まったく出会ったことがなかったのである。
 前翅尖端が鈎状に出っ張った独特の翅形、渋い美しさをみせる翅裏。後翅には、尾状突起もどきの意匠まである。いつか必ず捕まえてやる。図鑑を見るたびにため息をついていたのである。

 その後も、本種との接点がないまま時間が経過していったが、その3年後、なんと今度は、当時住んでいたアパートで捕獲したのである。忘れもしない89年10月13日のことであった。
朝、出勤しようと玄関を出、アパートの通路を歩いていると。あのふわふわ飛翔物体がいたのである。5階建てアパートの、5階にいたのである。大急ぎでネットをとりに戻ったのはいうまでもない。広島市佐伯区、海沿いの住宅街にある、とあるアパートの5階での出来事であった。海はすぐ近くである。まわりに林などはない。通路とはいえ、建物の中に入り込んでいた。なるほど、クロコノマチョウにはこういう性質もあるのか、と思ったのであった。
ちなみに、この5階では、ナガサキアゲハをベランダで捕獲したこともある。

 仕事の関係で、その翌年に転居、東広島に来た。
それからしばらく、本種とも疎遠になってしまったのである。蝶自体を追っかける機会が極端に少なくなった、っていう理由もあるが。
 時は流れて、2000年。7月16日、子供連れで、近くの池に釣りに行ったのである。
息子が釣りをしたい、というので、一通り道具をそろえ勇んで池に行ったのである。ブラックバスを釣ってやろうと思って。つれたのは、ブルーギル5匹。初心者でもつれるやつ。で、その池の畔で、ひさびさに本種に出会った。釣りにいっているのが7月16日。蝶から離れていたのがわかると思うが。 そしてその1週間後、また子供と釣りにいった。いわゆるリベンジ。ブラックバス釣ってやろう、と思っていたのは息子達。私はもちろん、ネット(捕虫網)もって、虎視眈々と池のほとりの林の中を見ていたのであった。息子がまぐれでブラックバスを釣った。私は予定通り、クロコノマチョウを手にしたのである。
 そして、忘れもしない同年9月18日、職場で、クロではなく、ウスイロコノマチョウを捕獲した。西条の街中である。大都会ではないが、林の中でもない。ネットはないので、素手で。室内で。どこから入ってきたのであろうか?室内の換気口のところで、ごそごそしていたのである。換気口から入ってきたのかと思ったのであった。どうもこの類の蝶は、不法侵入する癖があるようだ。
 実は私がウスイロコノマチョウを捕獲したのはこれが初めてではない。忘れもしない1991年8月25日、下関のとあるホテルの玄関で、不法侵入しようとしていたところを捕まえたことがあるのだ。関門海峡を臨む海沿いのホテルである。全面ガラス張りの大きなドアーの前で、じたばたしていたのである。もちろんホテルに食事に行くのに捕虫網を持っていなかった。素手で捕まえたのであった。ホテルの正面玄関で蝶捕り物を行った経験はこれが最初である。いまのところ、2回目は経験していない。
 時は流れて、2009年。今年は、ちょくちょく本種と遭遇する。
ギフチョウ目当ての時、まず遭遇。広島県のチョウ(中国新聞社、広島虫の会編)にあった、”越冬個体も見られるので土着している可能性は強い”というのを、二十数年遅れで確認した次第。その後、福富(多分本種と思う)、三段峡、そして今日、安芸津、と出会ってきた。
 他の蝶、撮れずとも、この蝶には出会える?といった嬉しいような、哀しいような状況なのである。


  1. 2009/05/24(日) 23:59:06|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<090528ゼフィルス | ホーム | 090521>>

コメント

うーん、羨ましい

クロコノマは東京近郊にも定着したようです。私はまだ未見なのですが、他ブログでもマイフィールド(複数)での目撃が報告されているので、近いうちになんとかしたいと思っています。
しかし、ウスイロコノマまでとは・・・本州でも迷蝶の記録が多い蝶とは聞いていましたが、本当なんですね。

ちなみに、私はかつて、広島市西区に住んでいた事があります。庚午のあたりで、あまり蝶撮りには向かない環境でしたが、あのとき蝶趣味にはまっていれば・・・(苦笑)。
  1. 2009/05/26(火) 00:19:18 |
  2. URL |
  3. 越渓 #OqKZy1rs
  4. [ 編集]

越渓さん、こんにちは

 当地でウスイロコノマの写真を撮りたいと思っていますが、こればかりは運次第。クロに出会うたび、もしや、と思って期待するのですが。晩夏から秋がねらい目かな。でも、どこで狙ったらいいのか?やっぱり建物の中?
 クロコノマチョウ、テリトリー張っているときの迫力ある姿を写真におさめたいと思っています。これは7月の予定。場所はもう決めています。
 かなり前ですが、何処かでたまたま出会った蝶屋さんに、庚午あたりの山に、クロコノマチョウがうようよいるよ、と聞いたことがあります。たしか庚午だったと思う。
  1. 2009/05/26(火) 08:26:29 |
  2. URL |
  3. べにしじみこむ #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://benisijimi.blog36.fc2.com/tb.php/60-a4b74d2b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

benisijimi(ベにしじみこむ)

Author:benisijimi(ベにしじみこむ)
こんにちは,
べにしじみこむ です。
ゆっくりしていって下さい。

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (531)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード