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主に広島県で蝶の撮影をしています

メスアカミドリシジミ 2015

MESUAKA2015-12

 少ない情報。ゆったりとした時間の流れ。
足を棒にして、やっと探し出した一頭。
徒労に終わった日々がやっと報われる一瞬。
自身の心臓の鼓動のみが聞こえる。
 これこそが、ハンティング(採集)、シューティング(撮影)の醍醐味だと思います。
時代の流れを越えて、なにも変わらない彼らとの出会いを楽しみたい。
 
 
(写真はクリックで拡大されます。大画面でおもいっきりブラウザーを広げていなければ、もう一回クリックで更に拡大されます。ノイズ、ピント、ブレなどの諸問題も拡大されますが、雰囲気などは分かりやすいです。)





 以前は、本種を求めて採集に行くことはまず無かった。
珍しい種ではないし、採卵、飼育が簡単である事もあり、わざわざネットを振らなくとも、といった種である。
もちろん、光り物が好きな方々には、本種を含めたゼフィルスをドイツ箱にずらっと並べて、その輝きを眺めて悦に入る事もあろうかと思う。実際、クリゼフをずらっと並べた標本箱は、一見、豪華絢爛に見える。蝶を知らない人々にそれを見せつけて、自慢するのも良い。たぶん仰天するだろう。感動してくれるだろう。見せるのは、あくまでも、ZEPHの標本箱である。間違っても、LETHEの標本箱を見せてはならない。変質者と思われることがある。
私は標本箱を愛でる趣味は殆ど持ち合わせて無いので、メスアカミドリシジミは、飼育品も含めて、たぶん一桁しか、ドイツ箱に入っていないと思う。採っても仕方ないよなあ、と思っていたこともあるし。メスアカに限らず、アイノや、ファボのいろんな種類も合わせて、光り物をひっくるめても、たぶん私の生涯でゼフィルスのみでドイツ箱を1箱埋まらせるほどの標本があるだろうか?2箱ぐらいは有って欲しいと思うのであるが、有るかなあ?そもそも、もうかなり長い間、ドイツ箱を見たことが無い。いったい、県北の山に何しに行っていたのか、自分でも不思議である。標本という実績が、形として残っていないではないか?基本的に、採りに行っていたのであるが、二、三頭、綺麗なのをとるとそれで満足してしまい、ネットはしまって、後は卍巴飛翔を何となく眺めていたのかもしれない。採集がへたくそだったという事もあるかもしれない。展翅が面倒なので三角紙標本のままになってしまった、って事もある。ではそれは何処に行ったかというと、缶々、タッパだったかに入れていたと思うが、いつの間にか何処かに行ってしまったようだ。何処に行ったのだろうか?ゴキブリの胃袋かもしれない。冷蔵庫に入れていたのは、ある時期処分した。結婚するときだったかなあ。変質者と思われたら困るので、とりあえず処分した。なんか、申し訳ないことをした、と思ったのであるが(蝶に対してです)、面倒臭がり屋が採集すると、こうなるのである。

 意味の無い前置きが長くなった。要するに、メスアカミドリシジミは、採集意欲を刺激する種では無かったのである。では、写真撮影ではどうか?これは、写欲を刺激する種ですね。
 採集や、標本を得るのは比較的簡単な種であるが、写真を撮影するとなると、わりと難しい種だと思う。
なかなかいいところへとまってくれませんから。


1506mesuaka-3

1506mesuaka-4

1506mesuaka-5

MESUAKA2015-11

 ゼフィルスの写真の善し悪しは、結局の所、いかに良いポイントを見つけられるか?
だと思います。
 メスアカミドリシジミのポイントは何か所か知ってはいるものの、いずれも写真撮影には必ずしも適さない所ばかりでした。
本種は比較的広く、浅く生息していますよね。私の感覚では。広島県ではそうだと思っているのですが、乱舞するところがあるとの噂を聞いたこともあります。それって、何処?芸北?吉和?それとも?複数個体が活発に飛ぶ環境では開翅撮影が難しくなりますが、乱舞を見てみたいというのもあります。メスアカは卍巴飛翔がかなり長時間に及ぶ種なんですが、そういう種が、生息密度が高いポイント、というのがあるのでしょうか?生息密度が高くなると、卍巴飛翔も短時間になってしまうのでしょうか?

 さて、昨年、やっとある程度の写真が撮れる場所を見つけたのですが、ここもやはり遠い。望遠で撮影して、大きくクロップするパターンです。いつかは、マクロレンズで撮りたい、と思うのですが。
 どの種でもそうですが、新しい撮影ポイントを開拓しようと思ったら、その蝶の出現時期にあちこち歩き回らないといけません。たいていの場合はうまくいかないので、その日を棒に振ってしまう可能性が高いです。自由になる時間はそうそうは無いし、おまけに梅雨の時期です。その日を棒に振る、という事は、その年を棒に振る、という事とほぼイコールとなります。

 既知の無難な所へ行けば、凡庸ではあるが、確実に撮れる。
 知り合いに確実なポイントを聞いて、確実に押さえる。
この、前二者をとるか、それとも、冒険を冒すか?

 心の中で、せめぎ合う所です。 
ローリスクローリターンをとるか?ハイリスクハイリターンにかけるか?

 GOOGLE前と、GOOGLE後、で変わったこと。情報量の劇的な変化、そして、その変化と並行して、交通網、特に高速道路網の整備がありますが、
この前後でかわったこと。蝶撮り(蝶採り)に関して。

 以前は、蝶にロマンがあったように思います。もちろん、今もそうです。蝶は蝶です。でも、人間が変わりました。
蝶を追っている人は、皆さんロマンチストであると思います。それは、手に持っているのがネットであろうが、カメラであろうが、一緒だと思います。
が、時代の変化とともに、明らかに質が変わっていると感じています。
かつては情報も少なく、一日に移動できる距離もしれていました。
今や、検索である程度情報が蒐集出来ます。金銭と引き替えに、ピンポイント情報も得られます。知り合いどうしでの情報交換も、以前よりも垣根が低くなってきたように思われます。
高速道路を利用すれば、ポイント間の移動も、かつてに比べると劇的に短時間で済むようになりました。

 GOOGLE前。
土曜日は半ドン。仕事が終わってすぐに車で移動。前日のうちに移動しないと間に合わない。高速は途中途切れているし、高いしなあ。下を通ります。二号線、渋滞にかからなければいいが。ポイントの山の麓で車中泊。途中立ち寄った酒屋(コンビニじゃないよ)で買ったビールを飲みながら、お弁当を食べる。満点の星空を見ながら。おっと、ここは蛍が多いね。
不確実なポイント情報だったので、結局、いい写真は撮れなかった。でもまあ、彷徨ったおかげで、何となくその蝶の雰囲気がつかめた。とりあえず、ワンチャンスでどうにか蝶が点のように撮れた写真が一枚。これは一生ものの宝物。副産物で意外な蝶が撮れたし、まあまあの成果でした。来年は、たぶんもっといい写真が撮れるだろう。歩き回って棒のようになった脚と、少しばかりの充実感を得て、またまた夜中に車を運転。月曜日の仕事に多少(?)響きますけど。

 GOOGLE後。
早朝、 ポイントマップに載っていたA地点で撮影し、ちょっととって、すぐさま高速に乗って移動。10時にB地点到着。ここはインターネットで調べた所。またちょっと撮影して、再び高速に乗って(コンビニで買った弁当を食べながら)、C地点に移動。ここはDさんに教えてもらった所。またちょこちょこっと撮っていたら、ケータイが鳴った。E地点にいるFさんからだ。珍しい蝶が出ているとの情報。よし、すぐ行くぞ。待っててね。
やったね、今日も希少種の写真が沢山撮れた。来週は、他の希少種を狙おう。Gさんがポイント知ってるそうだから、彼に連れてってもらおっと。
ローリスクハイリターンの追求。これはロマンでは無いですね。

 とあるギフチョウの産地で、ネットを持っていたかなりご年配の方とお話しした事があります。
うわあ、そんな歳になっても、ネットを振ってるんだ、と感動したことから、私の方から寄っていったのですが(私はカメラを持っていた。彼はネットと、杖を持っていた。)、その会話の中で、ぽつんと言われた言葉。
 以前は蝶屋と呼べる人が多かったが、今はただのカメラマン、採集屋が多い。蝶を沢山撮(採)っているが、あまり解っていない。
その時は何のことか意味不明でしたが、なぜかその言葉が引っかかっていました。でも、まあ、ただのカメラマンでも、三年蝶を追えば、いつの間にかその魅力に嵌まって、れっきとした蝶屋に羽化することも多いと思います。
 そもそも、蝶屋って、何でしょうか?採集種が多い人?夢見たロマンの数が多い人?ぼうずを食った数が多い人?
以前は、この三者は、たぶん、イコールだったのではないでしょうか?GOOGLE前は。
 私も、時代の流れに沿って、あるいは歳の加算とともに、いつの間にか、成果のみを追う今日この頃。
昨今と比較したら、殆ど成果がないにも関わらず、あれほど充実感を得ていた、かつての採集行(撮影行)。
何処が変わったのか?年齢だけではないような気もしています。
私も蝶屋になりたいですよ、あの時のお爺さん。

 

2015年6月 広島県にて撮影
OLYMPUS E-M1 / ZUIKO Digital ED 300mm F2.8 +  EC-14
メスアカミドリシジミ  











  1. 2015/06/19(金) 23:53:24|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

はじめまして

「蝶と俺2」というブログ管理人のひかりと申します。記事を拝読いたしました。当方はブランク有り、通算7年程度の若手採集者です。べにしじみ様の「Google前」「Google後」という点に共感いたしました。私自身は、ポイントを聞くのは極力避け、かつ運転ができないため産地の情報は昆虫誌等のラベル程度で毎回公共交通機関+歩きで探索しています。これは、「Google前」の状況と似ています。また、場所によっては、「Google後」の方達がいらっしゃる場所に私が偶然居合わせることもあり、その雰囲気もよくわかります。そういう場所は駅からも遠く、電車も少なく私は一日をその場所で使うことになりますが、周囲を時間を変えて歩き回ることで多くの発見がありました。これからも、「効率の悪い」ロマンをできるだけ追いかけたいと思っています。突然のコメント失礼いたしました。
  1. 2015/07/04(土) 02:22:43 |
  2. URL |
  3. ひかり #BqEwgRj.
  4. [ 編集]

ひかり様、ようこそ

 ひかり様、始めまして。コメント有難うございます。話の内容が理解出来る方がいらっしゃって嬉しく思います。
 いかに沢山、如何に多種を、如何に美しく、とるか(撮る、採る)、を追求すると、どうしても「効率の悪さ」を排除せねばならなくなります。
ただ、「効率の悪さ」の中に、ロマンが潜んでいるようにも思います。徒労の数と、感動の数は正比例するのではないかとも思います。
  1. 2015/07/05(日) 22:29:51 |
  2. URL |
  3. べにしじみこむ #-
  4. [ 編集]

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