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主に広島県で蝶の撮影をしています

蝶の占有行動とは?

150215-1

 冒頭の写真、いわゆる、追飛(追尾)、の写真です。写真を拡大すると個体の特徴が分かり易いですが、
追われている個体(左個体)は、左前翅に切れ込み状の欠損が認められます。(この個体を、とりあえず、β、ベータとします。)
追っている個体、(右個体)は、左側の翅には特徴的な欠損などは認められません。(この個体を、α、アルファとします。)
蝶の向き、位置関係から考えて、αがβを追っている(追飛している)と思われます(人間の感覚で判断すれば、ですね)。

(写真はクリックで拡大されます。大画面でおもいっきりブラウザーを広げていなければ、もう一回クリックで更に拡大されます。ノイズ、ピント、ブレなどの諸問題も拡大されますが、雰囲気などは分かりやすいです。)




 蝶のオスがテリトリー(占有領域、縄張り)をつくり、
そこへ飛来してきた他個体を追い払う行動は、しばしば観察されます。
文献によれば、種によっては、メスもテリトリーを張る(占有行動をとる行為、以下、テリはり、と略します)事があるようですが、私はメスのテリはりは観察したことはありません。一般的には、蝶のテリはりといえば、オスのそれをさすことが圧倒的に多いと思われます。
本稿では、蝶にとってのテリトリー、及びそれに関わる行動である追飛、あるいは回転飛翔(卍巴飛翔)の意義についての考察はとりあえずは行いません。それは後のお楽しみと言うことで、まずは写真のみを掲載いたします。

 今回取り上げたクロヒカゲモドキは、明らかな占有行動を示す種です。
オス(この個体をαと仮に名付けます)は、ある時間になると、特定のポイント(葉っぱ、枝、など。本稿ではこれをテリトリーポイント、と呼びます)に陣取り、特定の空間を睨んでいます。他個体(便宜上β、と名付けます)が飛来してくると、αはスクランブルし、βを追います。追飛、回転飛翔(卍巴飛翔)、などと呼ばれる飛翔を行います。(この目的については、本稿では考察しません。)
そして、αはβを追い払い?(追い払う、という言葉に語弊があるかもしれないので、とりあえずquestion markをつけます。)、先ほどのテリトリーポイント(もしくはその近傍)に舞い戻ってきます。そして、何事もなかったかのように、先ほどと同じように、同じ空間をにらみつけています。βがαを押しのけて、そのテリトリーポイントを奪う、といった状況を私は観察できていません。その可能性は殆ど無いように思われます(であれば、テリはりの時間帯に行われる、追飛や回転飛翔といった行動は、縄張り争い、闘争ではない、といえるかもしれません。結末がはじめから解っているものは、争いではないのではないでしょうか?αとβ、それぞれ、自分の立場を認識して行動しているようにも思えます。)。
 このテリトリーポイントには、種、特有の嗜好があるようです。一昨年、昨年、今年と、ほぼ同じ空間(場所)に、αが現れます。来年もおそらく、そこでほぼ同じ情景を観察出来るでしょう。
もちろん、全く同じ葉っぱ、三次元的に寸分の狂いもなく全く同一の空間、とは言えませんが、なぜか、昨年いたそのほぼ同じ空間に、今年もその蝶がいる、という状況です。その蝶、といっても、シーズンがかわれば、もちろん違う個体です。
 同一シーズンで、今日のαは、先日の個体と違う、ということも観察します(逆に言えば、そのポイントでαとして振る舞う個体は、たいていの場合、日が変わっても、同じ個体である事が多い、ということです。)。ただし、αが入れ替わっているとしても、その入れ替わりは、その日に、いわゆる占有時間が開始したその時から入れ替わっているようです。
一度だけ、一日の占有行動の時間中にαが交替したのを観察したことがあります。その理由は、私には明らかでした。
その日にその空間でαとしてテリはりを始めた個体が、突発的な事故により、そのテリはりポイントに戻って来られなくなった、という明らかな理由がありました。そういう場合は、違う個体が、その一番いいポイント(テリトリーポイント)に居座ってくるようです。αの交替です。追飛や回転飛翔の結果でαの交替が起こったのではなく、物理的に(突発的な事故で)αが占有行動が出来なくなったための交替でした。
 前述した、日が変わって観察したときにαが替わっていることがある、というのは、前日のαに何らかのトラブルが発生し(死んだ、ということ)、占有行動が出来なくなった可能性が非常に高いのではないかと私は考えています。もちろん、そのαが前日とは違う空間に行って、αとして振る舞っている、もしくは、テリはりを行わない個体になった、という可能性も考えられますが、今のところその証明はできていません。

 下の写真、手前の個体は、βですね。翅の特徴から解ります。
後ろにいる個体は、おそらく先ほどのα、です。右後翅に大きな欠損が認められます。
蝶の向き、位置関係から考えて、αがβを追っている(追飛している)と思われます。

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 次の写真、翅の欠損の状況から考えて、やはり前にいるのが(追われているのが)βで、追っているのがα、と判断しても良いと思われます。

150215-4

 さて、次の写真ではどうでしょうか?
追っているのはどっち?追われているのはどっち?
形勢逆転ですね。
βが、αを追っています。

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 次の写真ではどうでしょうか?
βが、αを追っています。

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 上の二枚の写真、明らかにαとβ、鬼ごっこで言えば、鬼と子の逆転現象が起こっています。
もちろん、どのような生物の争い、闘争といえども、いつも弱いものが強いものに虐げられているわけではなく、弱いものが反撃することもありますよね。一時的にですが。
今回掲載した鬼と子の逆転現象も、一時的な逆転(反撃)である、といえなくも無いですが、どうなんでしょうか?
 さて、前述しましたとおり、この様な逆転現象が起きたとしても、結局は、テリトリーポイントに戻ってくるのは、やっぱり、さっきのαです。ということは、やっぱり一時的な弱いものの反撃があっただけ、なんでしょうか?
 ところで、追う、ということ、イコール強いもの、という発想でもいいのでしょうか?飛翔能力の高いものがαになれるのでしょうか?それとも、体つきが大きいものがαになるのでしょうか?ある年、一番良いと思われるテリトリーポイントで、明らかに平均より小さいと思われる個体がαとして振る舞っていたのを観察した経験があります。蝶の強い、弱いは、大きさではないのだな、とその時は思ったのですが、さて、本当の所はどうなんでしょうか?そもそも、彼らには、強い弱い、追う追われる、という認識があるのでしょうか?
 蝶のテリトリーとは?追飛とは?回転飛翔とは?
(続編に続く予定です。)

ちなみに、クロヒカゲでも、鬼と子の逆転現象が起こっている様です。
(http://benisijimi.blog36.fc2.com/blog-entry-365.html)



2012年夏 広島県にて撮影  クロヒカゲモドキ 









  1. 2015/05/18(月) 22:49:42|
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