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主に広島県で蝶の撮影をしています

ズームレンズの憂鬱

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 かつて、私はズームレンズの画質に対し懐疑的な意見を持っていました。
ズームは単焦点に劣る、と。
フィルム時代から撮影している方たちの中には、そのようなご意見をお持ちの方が少なからずいらっしゃるのではないかと思います。もちろん、ハイスピードレンズともなれば、単焦点の土壇場であろうと思いますが、でも、ちょっと考えてみると、例えば、オリンパスの松レンズ(フォーサーズシステム)であれば、6本のうち、なんと4本がズームレンズなんですよね。
ズームレンズを使いこなさないともったいない。
特に、蝶の飛翔写真でズームを有効に使えれば、と何度思ったことか。


(写真はクリックで拡大されます。大画面でおもいっきりブラウザーを広げていなければ、もう一回クリックで更に拡大されます。ノイズ、ピント、ブレなどの諸問題も拡大されますが、雰囲気などは分かりやすいです。)





 ズームを使いこなさないともったいないと思いながらも、使いこなせていない、というのが今回の話のポイントです。

 何年か前、フォーサーズでの200mmの焦点距離(35mm換算400mm)が欲しかったこともあり、今回使用したこのレンズ(Zuiko Digital ED50-200mmF2.8-3.5 SWD、竹レンズです)を購入しました。これが、私の初のズームレンズです。
カメラに取り付け、初めてファインダーを覗いたとき、このレンズはいける、と思いました。ただし、未だに、たいていのショットに手ぶれがあり、このレンズを使いこなせていないのが現状です。

 さて、蝶の飛び姿を撮影する時、レンズの焦点距離の選択が重要と思います。
どんなレンズでも撮れる、といってしまえばそれまでですが、どのような状態をどのように撮りたいかで、レンズ選択(と、ボディーの選択)が自ずと決まってきます。
 敢えて二つに分けるとすると、広角で引きつけて撮るか、離れた距離から望遠で撮るか?
主題の解像感を上げ、精細に撮ろうとすれば、例えば、飛翔中の蝶の眼を輝かせようと思ったら、あるいは、飛翔中の蝶の脚を綺麗に解像させようと思ったら、或いは、飛翔中の蝶の翅のグラデーションを撮ろうと思ったら、広角で引きつけて、補助光で止めるのが無難ではないでしょうか(首尾良く撮れればいいですけど、たいていは撮れません)。が、被写体に近づけない場合は、当然望遠レンズで狙おうという話になります。トリミング耐性の高いボディを使うってのも有効な手段ですね。このブログに掲載している殆どの写真は、トリミングしています。
飛翔写真であっても、ノントリミングに拘る方もいらっしゃるようですが、私は彼らを尊敬します。とりあえず蝶が写っていれば良い、ではなく、より高いハードルを自らに課すのは素晴らしいことだと思います。結果、撮影技術や感性が向上してくるはずです。また、そのような方々は、撮ること自体も楽しんでおられるだろうと思います。ただ、トリミング前提で撮影しなければ得られないものも有るように思っています。

 広角で撮る場合は、目一杯、出来れば最短撮影距離付近まで蝶を引きつけないと、主題は小さく写ってしまいます。思いっきり引きつけると、実質的にピントが合っている面は紙一重の薄さとなるので、綺麗にピントが合った写真はなかなか撮れません。けれども、見かけの被写界深度は深いので、ピンが多少甘くとも、生息環境を撮りました、とも言えるし、それが目的なら、もちろん広角レンズが第一選択となるでしょうか。広角撮影の大きな欠点の一つは、蝶にかなり近づかないといけない、ということ。近づけば近づくほど、ピン甘になりやすい。近づけば近づくほど露出が難しくなる(マニュアル露出の場合、距離が少しずれただけで適正露出から外れてくる。特にストロボを使っていると)。近づけば近づくほど、見かけ上の飛翔スピードは早くなる。近づけば近づくほど、蝶は逃げようとするので、広角の最短撮影距離付近での撮影は、ワンショットしかあり得ない。ピントが合う瞬間は、ワンチャンスにつき、オンリーワンである。ただし、目の前で飛び続ける蝶に自動でピントを合わせ続けられるカメラ、もしくは撮影者の手動テクニックがあれば、幾らでもシャッターを切り続けられると思いますが(後述の動画を参照してください)、私はそのようなシステムもテクニックも持ち合わせていません。というわけで、いわゆる置きピンで、ワンチャンスにかけるしかない。蝶が撮像素子に対し水平に移動していれば、高速連写も意味があると思いますが、たいていの場合はそうではないので、連写はボディーブレを発生させるだけで、有害となると思います。そういう意味では、もし連写をするのであれば、ミラーレス機が望ましいと思われます。蝶がこちらに向かって飛んできた場合、連写速度が秒間10コマであろうが20コマであろうがピントが合っているのは、たった一枚(もしくは0枚)しかありえません(置きピンであれば)。この一枚を得るために、連写を選ぶか、ワンショットで臨むかは、各人が何に重きを置くかで変わってくると思います。これこそ、シューティングの面白さでしょうか?今まで述べたのは、単独飛翔を狙う場合ですが、回転飛翔、卍巴飛翔では、連写機能を最大限使うのが面白いと思います。当たるも八卦当たらぬも八卦撮影となります。

 ピントが合う瞬間は、ワンチャンスにつき、オンリーワンである。これが、広角レンズでの飛翔写真の最大の欠点ではないでしょうか。そこで考えました。望遠で撮ればどうか?少なくとも、蝶が撮影者に驚いて逃げる、というリスクは軽減されるはず。ピント面に入る蝶の身体の部分も増えるので、見かけ上、よりピントが合った写真にならないか?見かけ上、速度も遅くなるので、ピント合わせが容易にならないか?ズームレンズを使ったら、移動する被写体を、適度な大きさで捉え続ける事が可能ではないか?そうだ、望遠系ズームレンズを使おう。というわけで、Zuiko Digital ED50-200mmF2.8-3.5 SWDの登場となりました。
結論からいうと、思い通りにはなりませんね、やっぱり。

 ちなみに、以前、とあるコマーシャルを見て、蝶でこの撮影ができないかと思ったことがあります。
http://youtu.be/PjVuNgO4fOQ ココをクリックすると、YouTubeに行きます。
最近はキャノンを使っていないので、へニーファンヘールデンさんが、一瞬で回したのがズーム環であるのか、ピントリングなのかは分かりませんが、推察するに、おそらく、瞬時に画角を変え、オートフォーカスで、高速連写しているものと思います。AI SERVOで、連写はH、となっているようで、連写音と思われる音がしています。こちらに向かって近づいているベンガルミミズクを秒間何コマかで、オートフォーカスで追随しているようです。手動で瞬時にズーミングしている間にも、オートでフォーカスが追随しているのでしょうか?このレンズは、何でしょうか?蝶で、この撮影が出来るのでしょうか?キャノン使いの方に、是非教えて頂きたいと思っています。
make it possible with Canonとありますが、出来れば、with Olympus がいいな〜。

 で、今回のナミアゲハの写真ですが、望遠系ズームレンズでの撮影です。
これは、そもそもこの蝶を狙っていたのではなく、葉っぱに静止している他種の撮影をしていました。
ふと横をみると、ナミアゲハ二頭の絡みがある、そこで大急ぎで、そちらを撮影対象に切り替えたわけです。たまたまその時にボディーについていたレンズが、このズームだったのです。
一瞬迷った。ズームを利用して、目一杯望遠にした後に、ピント合わせを行うか(マニュアルで)?それとも、私の脚でアゲハに近づくか?ピント合わせに専念し、後でトリミングするか?ボディーはOLYMPUS E-5 、トリミング耐性は? ズームリングを回している時は、当然ピント合わせはできないし、ピント合わせをしていれば、当然、ズーム操作は不可能。オートフォーカスはあてにしていません。
さあ、困った。どっちする?
で、やっぱりピント合わせに専念しました。
とろとろしていたので(私が)、シャッターを切れたのは、これが唯一のもの。チャンスは、オンリーワンでした。
ズーム操作で、被写体を適度な大きさに捉え続ける、なんて、やっぱり出来ませんでした。どうも、無理っぽい。
二頭ともきっちり画角内に捉えるのさえ、無理でした。ナミアゲハのこのスローモーな飛翔でさえ、ズーム操作が出来ませんでした。クロヒカゲじゃ、絶対無理だなあ。

 ズームを有効に使えば、画角を大きくしたり、主題を近づけたりできるから、常に動いている飛翔を撮るには、ズームレンズの使用は理想的だと思います。ただし、前述したように、ズーム操作とピント操作を同時にできない以上、どっちのリングを先に回すか?瞬時の判断が必要となります。たいていの場合、ピントが優先となるので、結局、私の腕では、蝶の飛翔にあわせて瞬時にズームしていく、ということが出来ません。フォーカスをオートに任せる、という手もありますが、私の所有しているシステムは、たぶん飛翔中の蝶の眼をオートフォーカスで追えるほどの技量を持っていない(と思います)。また、露出もマニュアルでとることも多いのですが、特にストロボを使っているときなど、被写体との距離が変わってしまうと、もう露出はお手上げとなります。
で、結局、飛翔は、単焦点レンズを使うのが、私の第一選択となります。
ズームを使いこなさないともったいないと思いながらも、使いこなせていないのです。

 ところで、写真の内容です。
 距離感が掴みづらい写真ですが、二頭のうち、どっちがより前方に位置しているのでしょうか?
解像感、ピントに問題が無きにしも非ずですが、伸ばしている口吻が写ってくれましたので、ボツにはしませんでした。このチャンスでの、唯一のショットでしたし。

 まあ、それにしても、望遠系のレンズで蝶の飛翔を撮る、なんてことは、フィルム時代には絶対にしなかったことです。その理由は、述べなくても分かっていただけると思います。

2014/05/06  東広島市にて撮影  ナミアゲハ
Olympus E-5  / Zuiko Digital ED50-200mmF2.8-3.5 SWD 
108mm(35mm換算216mm)相当で撮影 大幅なトリミング有り




  1. 2014/05/18(日) 21:46:44|
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