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主に広島県で蝶の撮影をしています

二つの水滴に太陽を閉じ込める キタキチョウのポンピング

kichoupumping-1

 キタキチョウのポンピングの撮影は、なかなかうまいこと行かないのである。
なぜかって? だって、水滴を排出する尾端が、見えないんだもの。
翅に隠されて。





 蝶の撮影の上手い下手、善し悪し、にもっとも影響を及ぼす因子は何か?
以前、ある人と議論したことがある。結局の所、その人の持っている運だよね、が結論であった。
写真が上手であるとか、下手であるとか、カメラやレンズがいいとか悪いとか、そんなことよりも、遥かに大切なこと。
それは、撮影者が運を持っているか否か?だと思う。
そもそも、その蝶に出会えないといけないし、出会えた蝶の決定的瞬間に立ち会えないとお話にならない。
素敵なモデルに巡り会えるか否か、これは運次第。
テレコンかまして、はるか向こうの葉っぱにとまっている蝶を撮っていたら、目の前の葉っぱに希少種がとまった。つけてるレンズが300mmでは、いかなる達人といえども、D4でも、1D Xでも、手も足も出ない。隣にいるコンデジ構えた初心者であれば、それは撮れるのである。これはもう、上手い下手、機材がどうのこうの、ではないのである。
ああ、運が良かった。くっそー、運が悪かった。といった世界なのである。

 ビール片手に、その日の成果をパソコンのモニターで見ながら、ふとつぶやく独り言は、
ああ、今日は、運が良かった。
なのである。

 ああ、今日は、無茶苦茶、運が良かった、と思った写真が冒頭のものである。
この日は、素晴らしいモデルに巡り会えたのである。感謝感激したのであった。 
たまたま吸水している個体に出会えた。尾端から地面までに距離があった。尾端の直下に、たまたま水滴が付着できるような枯れ枝があった。太陽がほどよい位置にあった。蝶が排出した水滴に太陽が写った。しかも上下の水滴に。
これらは、偶然の産物である。


 すべて運である、と言ってしまっては身も蓋もないのであるが、
私なりに、多少なりとも考えて撮影しているのである。
 翅に隠されている尾端から排出される水滴を如何に撮影するか?もちろん、空中で捉えるには?と言う意味である。
まずは、出来るだけ翅が透ける方向から撮影するのが良いと思う。すなわち、逆光での撮影となるように、撮影者が自分の位置を移動させる必要がある。種によっては、腹部が翅に隠されていても、僅かに透けて見えるのである。キタキチョウはこれですね。ポンピングの時は、ある一定の周期で水滴を排出する事が多いので、その周期と、そして、僅かに透けて見えている腹部の微妙な動きを察知して、水滴の出現を予想するのである。
 
14時37分50秒
赤矢印の先に、ポンピングによって排出された水分が溜まっている。
細い枯れ枝に、水滴がぶら下がっている。この枯れ枝があるか否かで写真が全く違ったものとなる。
kichoupumping-143750-2

14時37分58秒(下の写真)
上の写真から8秒後。この間に、新たな水滴が排出された。その新たな水滴と、今までに枝上に溜まっていた水滴が合算され、重くなったので、重力により、水滴は枝を下がっていった(赤矢印)。下にあるYOUTUBEへのリンクをご覧になると、この辺りの水滴の動きがよくわかります。
kichoupumping-143758-2

14時38分02秒(下の写真)
上の写真から4秒後。次の水滴が枝に付着している(緑矢印)。
残念ながら、この三枚の写真の間に排出された水滴は空中では捉えられなかった。
kichoupumping-143802-2


 そして、やっと撮れた、空中にある水滴。(下の写真、二枚)

KICHOUPOMPINGKUUCHUU2

kichoupumping-999

隠された尾端を透視すべく、ひたすらファインダーを覗き込む。長時間に亘って。
頭の中では、一定のリズムを刻みながら数を数える。
そのリズムと透視した尾端の動きの一致を感じ、僅かに指を動かす。シャッターを切るために。もちろん、タイムラグを考慮に入れて。
秋とはいえ、何者も太陽光を遮るものがない荒れ地での撮影。
気がつくと、びっしょりと汗をかいていた。
汗と地表の水分でびっしょりであった。


 YOUTUBE、動画へのリンクです。キタキチョウのポンピングを見たことがない場合は、この動画で、水滴の出現を予測し、シャッターを切る模擬をしてみると面白いかも。
もちろん、水滴が出てきたときにシャッターを押すのでは遅いと思います。タイムラグがありますので。


kichoupumping-2

2012/10/25 東広島市にて撮影   キタキチョウのポンピング
(OLYMPUS E-5 / ZUIKO Digital ED 50mm F2.0 Macro , ED 7-14mm F4.0)







  1. 2013/11/20(水) 23:30:01|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

合わないです

何度も間隔をあわせてシャッターを押しましたが、あいませんでした。
連写しまくるしかないですね。

しかし、キタキチョウでポンピングが撮れるのですねえ、目からうろこです。

訪れるたびに新しい世界を覗かせていただいています。ありがとうございます。
  1. 2013/11/29(金) 19:13:17 |
  2. URL |
  3. mag #8iCOsRG2
  4. [ 編集]

magさん、こんばんは

 magさん、お久しぶりです。
 キタキチョウのポンピング、是非、来シーズントライしてみて下さい。難関です。
撮影に行くたびに新しい世界を覗かせてくれる蝶たちに感謝です。
  1. 2013/11/29(金) 20:48:14 |
  2. URL |
  3. べにしじみこむ #-
  4. [ 編集]

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