べにしじみこむ の蝶ブログ へようこそ

主に広島県で蝶の撮影をしています

四つ眼を求めて 

 我々は眼に対し、特別の感情を持つ。
ある時は 魅力に思い、ある時は 恐怖を感じる。
特に、過剰な眼に対しては、驚愕、恐怖、あるいは畏敬の念を感じるのではないだろうか?
古来より仏像などの額に第三の眼が彫り込まれていた。眉間や手のひらに眼を持つ妖怪や、漫画の主人公も考案されている。
卓越した洞察力、未来の透視、潜在意識の見通し、あるいは超感覚を表すものとしてデザインされているようだ。

 チョウの眼状紋は、なぜあるのであろうか?いったい何を意味するのであろうか?
天敵を驚かすため、あるいは尾部を頭部と誤認させ、致命的な襲撃をかわす為であるとも言われている。

 Lethe属の眼状紋は、妖しい美しさを持つ。
眼状紋を縁取りしている淡色の部分(紫藍色環)は、多くの場合、単なる白に見えることが多い。
ところが、である。時に、妖艶な青系統に発色していることがある。広島県に棲息している三種とも、綺麗な青の幻光を現すことがある。種によってその色合いや出方が違うようであるが、運がよければ、強烈なブルーを拝むことが出来る。
(これについては、いずれまた、究極のLethe、という題で述べる予定である。)

 眼状紋の個数、配置、が何故このようになっているのか、我々がそれを理解するのは、まず無理であろう。
なぜ青で縁取られる必要があるのか、これなども解らない。その青がなかなか観察できない、というのも謎である。

 さらに不思議なのは、眼状紋の数が増える事がある、という事実である。

 クロヒカゲモドキを他のLetheと区別する一つの方法として、前翅裏面亜外縁の眼状紋の数が三つで、下の(第三室のもの)が一番大きい、というのがある。仮に四つの眼状紋が出たとしても、第三室のものが最大であるとされている。つまり四っつめの眼状紋がたまに出ると言うことである。
本種の四つ眼には時々遭遇するが、ファインダーで確認した瞬間、やはりどきっとしてしまうのである。有難い過剰紋である。異常型、という言葉が使われることもあるが、その言葉は、きつすぎると思う。単なるバリエーションであると思っている。そのバリエーションにはいろいろあるようだ。
クロヒカゲモドキの四っつめの眼状紋はどのように出てくるのであろうか?
今期遭遇した本種の四つ眼を以下に掲載する。


 まずは最初の個体。
今回の論点からはずれてくるが、眼状紋を取り巻く淡色の部分(紫藍色環)は、白く見えることが多いが、真っ白ではない。
前翅裏面の斜白帯とは明らかに色彩が違う。加えて、前翅と後翅では微妙に色合いが違う(と思うのであるが?)。
敢えて言えば、前翅は淡赤紫、後翅は淡青紫、といえるかもしれない。(希望的観測。)
(これについては、また後ほど述べたい。)
yotume814-1

 下の写真は、上の個体の左側。右側よりも、第四の眼状紋の発達は悪い。

yotume814-2
 
 次の個体。上の個体と比べると、第四の眼状紋は発達している。

yotume814-3

 下の写真は、上と同じ個体(だと思う。)
左側も、右側とほぼ同じ大きさの第四の眼状紋。

yotume814-4

 三番目の個体。
上の2個体よりも、発達は悪いながらも、第四の眼状紋が出現している。
この個体は反対側は撮影出来なかった。
yotume815-1

 第四の眼状紋の中心と、一番上のそれを結んだ線を引いてみた。
二番目の眼状紋の中心は、この線上あるいは、やや内側に位置している。
三番目の眼状紋の最内側の白点の外側縁は、この線にほぼ接する。

case1-3

 この位置関係を念頭に置き、次の三例を考えてみた。

 次の個体はどうであろうか?
眼状紋(のなりかけ)が出現している(出現したがっている)と言ってもいいのではないかと思うのだが。

kuromosiroiyotume
 拡大。
kuromosiro-2

ちなみに、本個体の反対側は、たぶん、何もない。
yotumesiro-3

 そして、下の図の如く、位置的には問題ない。

case4



 次の2個体は、眼状紋のおかげでうまく襲撃をかわせたのかもしれない。
どちらも同じような破損状況である。ただ今回はその指摘ではなく、第四の眼状紋の痕跡についての指摘である。

0815yabure
0815yabure-2

osuyotsumekonnseki
kyoukakudai

 2個体とも、四っつ目の眼状紋が出る位置に、僅かながら、白い斑点状のものがある。
この2個体は後翅がかなり破損している事からも伺えるように、修羅場を乗り越えてきた経歴の持ち主である。もしかすると、この斑点は表層の傷など、後天的なものかもしれない。
これを眼状紋(のなりかけ)とするのは、いささか はしょりすぎの感が否めないが、問題提起として掲載した。

case5-6

 上記の図からも解るように、この位置は、四つ目の眼状紋が出現する位置と一致している。


 私は今まで、オスの明らかな四つ眼を 目の前で拝んだことはない。
最後の個体が示唆するように、このポイントでもオスの第四の眼状紋が出現する可能性があるのではないかと、期待しているのである。

 来年こそは、オスの四つ眼をものにしたい。
もちろん、飛び姿で。
 明瞭な四っつめの眼を持つ本種が、赤く染まった空を背景に翅を広げている瞬間を撮し込みたい。
紫藍色環が妖しく輝いていれば申し分ない。究極のLetheである。
かなりの強運が必要だが、不可能ではなさそうだ。

いずれの写真も、2011年度、広島県にての撮影 クロヒカゲモドキ  Lethe marginalis

以下、 隠された色彩、そして、究極のLethe、 に続く(予定)。





















  1. 2011/10/06(木) 23:59:59|
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