べにしじみこむ の蝶ブログ へようこそ

主に広島県で蝶の撮影をしています

100718 森の宝石を求めて その4 蝶と光のコラボ 編

100718-1

 光り物のゼフィルスを撮るときほど、色彩を意識することはない。
 そして、光を意識することはない。

(すべての写真はクリックで拡大されます。拡大しないと分からないことも多いです。)




 上写真、テリはり中のゼフ。
触角先端部がなぜ橙をしているのか、以前から疑問に思っている。
この写真を見ると、黒バックに浮いて目立っている。
闇夜に浮かぶ、一対の明かりではないか?
彼らの目から見ても目立っているのだろうか?
たまたまか?

 さて photograph を、なぜ 写真 と翻訳したかについては面白い説があるようだ。
そもそもの言葉は、光の絵、つまり 光 が含まれているが、我が国の言葉では、それは失われている。
物事の本質、真の姿を持ってくる、となったようである。

 本種の撮影では、いやが応でも 光 を意識せざるを得ない。 
強烈な光り物を背負っているからである。

 まずは、光の当たり方による、翅表の発色の変化を追ってみた。

下、グリーンが基調(に見える)

100718-2

次は、ブルーが基調(に見える)

100718-3

 二十年以上愛用している図鑑によると、本種の地色は(カッコして緑色の色彩、と書いてあるのであるが、)、
光の弱い青緑色、ときにかなり青みの強い個体もある、
とある。(原色日本蝶類図鑑、保育社、白水隆監修、昭和57年9刷発行版、98ページ。古いなあ。)
どうも、緑が基本、という認識のようだ。私の認識とは違う。
名付けの時に、アイノやメスアカに引きずられてしまったのではないかと思っているのである。
名前からして、この一群は、なになにみどりしじみ、となっている。緑が基調という認識だ。
でも、と考えたのである。なになにあおしじみ、だったら、どうだろうか?
これはしっくり来ない。どうも違う感覚だ。やっぱりみどりしじみかな?

 さて、これを青緑とするか、緑青とするかは、難しいところである。
青緑、とすると、どちらかというと緑が基調のニュアンスとなり、たぶん私の図鑑はこの考えだと思うのであるが、これは私の見た目の事実に反する。本種はどちらかというと、基本は青っぽく見えるのである。
だったら緑青か?となるが、緑青、とすると、これは ろくしょう を想起し、なんだ、さびか、となり、美しくない。

 戯言はこれまでにして、いずれにせよ、見た方向、光の当たり方によって随分色彩(見た目)が変わってくる。
何色か?ときかれても、明瞭には答えにくい。
構造色、といわれ、光の物理的性質によって、見かけが変わってくるとのことである。
なるほど。とすれば、地色ではないではないか。地色は褐色か?透明か?それともそもそも地色は無いのか?

100718-4

 さて、青か緑か、については この際どっちにも見える、ということにして、
私の本種の印象は、次の写真、この青、である。

100718-5

 青、もしくは緑にみえるのは、ある程度近接し、しかも翅表が見える時である。
見上げる位置に静止した場合は、黒っぽくみえる。表は見えないから。
次の写真、および冒頭の写真がこれに当たるが、写真的にはこのアングルが面白いのである。
金属光沢のある光り物が消えてしまうが、新たに太陽光という基本的な光り物の見せ場が造れるのである。

100718-6

 次の写真。閉翅。
胴体の周りに白い光の輪が見える。
ふっくらした、羽毛と言いたくなるような長毛が密生している。

100718-7

 下写真。後翅内側部、毛状鱗(でいいのでしょうか?)が青く発色してくれた。
流れるような美しい青い毛たち。(拡大しないとわかりません。)

100718-8

 次。
光のあたり方が違うと、今度は、黄色、あるいは薄黄緑に発色している。

100718-9

 拡大。
適度に光が当たった毛状鱗が、薄青、黄緑、黄色に発色している。

100718-10

 翅表の鱗粉のみならず、翅裏の毛も、光の当たり方によって、様々な表情を見せてくれる。

 ついでに。
口吻は、黄色。

100718-11

 左側尾状突起は失われ、鱗粉もあちこち剥がれている。
飛び古してきているが、さすがの決めポーズにて。

100718-12

 本日は、一頭のゼフィルスと供に 色彩と光を意識する時間を持ったのであった。
私の無理な注文にもいやな顔をせず、いろんなポーズを決めてくれた彼に感謝したい。

2010/7/18 広島県にて撮影、ジョウザンミドリシジミ







  1. 2010/07/18(日) 23:59:59|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<100725 宿命の対決 | ホーム | 100708 森の宝石を求めて その3 妖精たちの輪舞 編>>

コメント

青と言えば・・・

付き合いの良いモデルに会えて良かったですね (^^)
蝶の名前、「ルリ」は多いですけど「アオ」が入ってる蝶って意外と少ないですよね。アオバセセリ、アオスジアゲハ、アオタテハモドキ・・・くらいでしょうか?ちょっと不思議です。
ところで、広島では先日の雨で被害もあったようですが、そちらは大丈夫でしたか?
  1. 2010/07/23(金) 04:57:55 |
  2. URL |
  3. ぐみ #/0w90kGg
  4. [ 編集]

ぐみさん、こんにちは。

 ぐみさん、コメント有難うございます。例年、一頭としつこく付き合ってもらうのですが、今年もいいモデルに巡り会えました。
 蝶の名前はいろいろと面白いですが、色彩を元にした名付けも多いようです。でも時々、ほんとにその色?と思うこともあります。名前がついたことで、その種のイメージがある程度固定されてしまうこともありますので、名前を抜きにして蝶と向き合うのも面白いと思っています。 
 広島では先日の大雨で、あちこち、道路の陥没、通行止め、崖崩れなどがあったようです。この日の撮影行にも多少影響が出ました。
ところで蝶たちはあの風雨をどのようにやり過ごしているのでしょうか?
  1. 2010/07/24(土) 09:11:15 |
  2. URL |
  3. べにしじみこむ #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://benisijimi.blog36.fc2.com/tb.php/102-c30d319e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

benisijimi(ベにしじみこむ)

Author:benisijimi(ベにしじみこむ)
こんにちは,
べにしじみこむ です。
ゆっくりしていって下さい。

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (539)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード