べにしじみこむ の蝶ブログ へようこそ

主に広島県で蝶の撮影をしています

110929 今は昔

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 分布;山口県下関市、九州、八重山諸島に分布する。
とある。
私が学生時代に古本市で求めた図鑑には。






 今となっては昔のことであるが、本州では西端の下関近辺のみに生息していた。

 かつて山口県西岸にクロツバメシジミを求めたことがあった。
当時はまだ中国縦貫道、山陽自動車道は開通しておらず、延々と2号線を走っていったのである。
今となっては、よき想い出である。

 日本海の強風吹きすさぶ海岸の断崖絶壁を必死の思いで這いずり回ったのであった。ネット片手に。
落ちたらまずいと思いながら。

 今から振り返ると、危険な岩場で、しかもそんな強風下でネットは振れないはずだし、日を改めて採集すればいいのではないか、と思う。でも、当時は血気盛んな年頃で、しかも数時間かけてここまで来た以上は手ぶらで帰れない、という思いがあったのであろう。ガソリン代もばかにならないし。

 で、求めた蝶は全く見なかった。
そもそもこういう強風下で蝶は飛ぶはずがない。
食草を見つけるたびに卵や幼虫を探したのであるが、それも空しい作業であった。
 まあ、予め棲息地をピンポイントで教えてもらって採集に行くと確実かもしれないが、そうはしなかったので、やっぱり外してしまったのであった。
だが、外してしまった時の採集行のほうが、なぜか記憶に残っているのである。人間とは面白い物だ。

 その時、海沿いの崖に降りるルートを探すため、あちこち歩き回った。
とある畑沿いに咲いている花をふと見ると、見たことのない蝶のような物がとまっていた。
クロセセリ、すぐぴんと来た。
第一の目的は達成出来なかったが、思わぬ副産物が手に入ったのであった。
当時、広島では本種は得られなかったはずだ。


 光の加減にもよるが、アカセセリ亜科のなかでは、特異な翅模様で黒色を基調とした蝶である。
 本日見つけた時も、薄暗い山道で、わけのわからない黒っぽいのが飛んでいる、というのが第一印象であった。
とまったところを見てやっと、クロセセリと解った次第である。
東広島市では、もはや少なからず生息していると思われるが、やはり、遭遇すると、なんとなく違和感を覚えるのである。

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 本種を見るたびに、若かりしあの日を想い出す。
探索心があり、無謀でもあり、疲れを知らず、そして時間と欲求に溢れていたあの頃を。

2011/09/29  広島県東広島市にて撮影  クロセセリ









  1. 2011/09/29(木) 23:59:45|
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陰 と 陽

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 陰 と 陽

彼らは その狭間に 生きている。


(すべての写真はクリックで拡大されます。
 拡大すると写真のあらが目立ちますが、雰囲気はわかりやすいと思います。)




 冒頭の写真、画面右側が陽、左側が陰、といえるかもしれない。

 さて、話変わって、蜘蛛の巣を輝かせてみた。
のではなく、本命は中央の蝶である。

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 次も蜘蛛の巣が写っている。(拡大するとわかりやすいです。)

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 次の写真も蜘蛛の巣が輝いている。
そして、もう一つ光に輝いているのは、本種の縁毛である。
以前より、縁毛を輝かせたいという希望があったのであるが、運良く、そのような状況に出会えた。
身体の前半分は日陰に隠れているが、後ろがたまたま陽に当たっていたのである。
左側後翅の一部が破損している様であるが、おかげで眼状紋が一つ、浮かんでくれた。
いずれは縁毛を 青く輝かせたいと思っているのであるが、それは無理かもしれない。

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 実は長年、なぜmarginalisなのか、疑問に思っていた。
上の写真は、その回答を暗示してくれた、私にとって非常に有難いワンショットなのである。
 陽の当たるところと当たらないところ。明と暗。
そう、彼らは、陰と陽の狭間に生きている。
だから、marginalなのではないか?この言葉は、陽と陰の境界、あるいは昼と夜の境界を意味しているのではないか?

 自分なりに名前が理解出来た記念すべき日の戦果。
蜘蛛の巣を気にしている場合ではないので、こうなってしまうのである。
頭や顔は言わずもがな。
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 蜘蛛の巣無しのワンショット。やっと撮れた。
あ、右下に一本写っている。
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 彼らは陰と陽の狭間を飛ぶ。
向こうの山肌は陽が当たっているのに、こちら側は陰になっている。
ヒカゲチョウ、とはよく言ったものだ。
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 向こうに写っている高木の上部は陽が当たって、明るい緑。手前の暗い緑は、撮影場所が陰であることを示している。彼らは、主に陰を飛ぶ。
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 次、右側が遠景となる。
向こう側は陽、こちら側は陰。
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 林縁にある 適度な空間で テリトリーを張る。
まだ完全には陽が落ちていないので、高木の上部には陽が当たっている。木漏れ日もちらほら。
陰と陽のパッチワークを背景に飛翔する。
marginalisの面目躍如。
 身体は翻転しているが、頭部はしっかりコントロールされている。それについては、また後ほど。
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 次の写真、もう陽が当たらなくなった。
空はまだ青いが、木々は完全にシルエットとなっている。

 彼の翅捌きは なかなか見応えがあった。
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 だんだん暗くなってくる。
陰が陽を駆逐する時刻となった。

 真っ赤な夕陽を背景に飛ぶクロヒカゲモドキの写真は撮れないと思っている。
なぜなら、夕陽が撮せると言うことは、飛翔している場所に、夕刻もろに陽が当たっているということになるからである。そのような場所で彼らはテリトリーを張らないのではないか?
彼らはどちらかというと、黄泉の国に近いところを好んでいるようだ。
少なくともこのポイントでは無理である。

 ただ、条件に恵まれると、東の空に夕焼けを見る事が出来る。
遙か彼方の雲がわずかに 赤く染まっている。(うまく写らなかったのが残念。)

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 そして次の写真。
本年度唯一、近くの雲が赤く染まってくれた瞬間。
この瞬間を待ち望んでいたのである。
陽の最後の輝きである夕焼けをバックに。
そして、その後 陰に入っていった。

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 夏のある時期、日常の些事から離れるひととき。
忘却の縁(ふち)に誘ってくれる彼らに感謝したい。

今夏、広島県にて撮影 Lethe marginalis クロヒカゲモドキ

 ところで、この記事で飛び姿を披露してくれたのは三個体である。おわかりいただけるであろうか?
私は彼らを、ヒコヤブレ、ブチ、カドオチと呼んでいた。
彼らには いずれまた 登場してもらう予定である。









  1. 2011/09/25(日) 22:39:04|
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クロヒカゲモドキ2011

KUROMO

今夏 撮りためてきた クロヒカゲモドキ の写真を少しずつアップしていきます。

題は(仮題、順不同)

隠されたベルベット 
四つ眼を求めて
ダイナミックな飛翔とコントロール
飛びたち と 着地
輪舞
お腹が重い
彼の最期
テリトリーと追飛の謎

 等の予定です。

kuromo2011-2

 
冒頭の写真、林縁を飛翔するクロヒカゲモドキ
次の写真、着陸態勢に入ったクロヒカゲモドキ

ともに、今夏、広島県にて撮影













  1. 2011/09/05(月) 19:46:06|
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